今朝の産経抄、琴線に触れた。
2008/3/19 産経朝刊 産経抄
どうやら日本の政治家の辞書から「知恵」という言葉が消えてしまったようだ。通貨の番人で有る日本銀行総裁がなかなか決まらない。
民主党が「財政金融の分離」を盾に財務省の事務次官OBはまかりならぬ、と頑なに同意しない ▼ならば財務省出身者は全員ダメはといえば、次官より位が下の財務官なら構わないらしい。トップではXでナンバー2なら〇という理論は、子供だましとしかいいようがない。これでは何でも反対した昔の社会党と同じだ。
政府与党も知恵がない。福田康夫首相が武藤俊郎氏こそ日銀総裁に最適と考えたなら、なぜもっと前に堂々と国会に提示しなかったのか。誰とはいわぬが自民党幹部が下手な小細工をして野党を怒らせ、次善の策として出した人が武藤氏と同じ様な経歴では芸がなさ過ぎる。
▼平時なら日銀総裁がしばらく空席になっても代理が粛々と業務をこなせばいいだけで、大したことはない。しかし、世界経済は、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「米国の金融危機は第二次大戦後、最悪」と警鐘を鳴らすほどの非常時だ ▼嵐がこようとしているのに、くだらないメンツにとらわれて船長が通貨の番人一人決められないようでは、日本丸が沈没してしまう。お互い譲べきは譲り、国民のため一致協力しようという大人の対応がどうして永田町の住人にはできないのか
▼これでは、チベット騒乱を「ダライ・ラマ集団が扇動した」と強弁し、毒餃子事件の真相究明を先送りしようとする中国にとても太刀打ちできない。
いや、そんなことはない、というのなら政治家の皆さん、「このままでは北京五輪不参加を検討せざるを得ない」と一言、いってごらんなさい。
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